syumishi-researcherの日記

『趣味誌』『地方誌』『同人雑誌』など出版史に於ける「自主出版雑誌」の歴史を調査・研究・記録しています

2025-01-01から1年間の記事一覧

青少年の同人雑誌出版の現実性と経済

はじめに 一人五円で雑誌を出す――大正期の同人たちと印刷費の実態 なぜ同人雑誌は量産されたのか 大正時代の「営業雑誌」の印刷料金 震災と円本ブームがもたらした印刷料金の乱高下 昭和初期における同人雑誌の印刷費用 同人費を払わないヤツ、盗むヤツ はじ…

昆虫採集セットの青・赤色水について

【「昆虫採集セット」の色水化について試論】 はじめに 戦後の玩具版「昆虫採集セット」には、殺虫液と防腐液として赤・青色の液体が小瓶に入れられて同梱された。 この液体は、本来の機能としては、其々採集直後の昆虫を速やかに殺し、標本として保存するた…

昆虫採集セットの青・赤色水について

【「昆虫採集セット」の色水化について試論】 はじめに 戦後の玩具版「昆虫採集セット」には、殺虫液と防腐液として赤・青色の液体が小瓶に入れられて同梱された。 この液体は、本来の機能としては、其々採集直後の昆虫を速やかに殺し、標本として保存するた…

昆虫採集セットの青・赤色水について

はじめに 戦後の玩具版「昆虫採集セット」には、殺虫液と防腐液として赤・青色の液体が小瓶に入れられて同梱された。 この液体は、本来の機能としては、其々採集直後の昆虫を速やかに殺し、標本として保存するための腐敗防止を意図した、という理解が本邦の…

戦後直後、地方に雑誌が生まれたわけは

「戦後雑誌」の特異な時代 映画趣味誌 地方誌研究者の誤解 趣味誌・地方誌が簇生した訳 戦争の影響でヒトとモノが地方にあった 長期間は継続しにくい中で 「戦後雑誌」の特異な時代 戦後直ぐに、『地方誌』が各地で創刊されており、昭和五年頃からの戦前も含…

別冊太陽『発禁本III』の誤記や疑問点

はじめに ■「福山碧翠が燐票の趣味の会『綿会』を発足させたのは明治三五年のことだった」 ■「燐票、切手を始めとした近代趣味は昭和初期頃、大きな趣味のブームとなった。こうした時代風潮に刺激されて、郵貯を中心とする趣味の会が全国に生まれていったの…

「日本煙草包み紙蒐集の歴史(戦前篇)」

■戦前の煙趣ブームはいつか? ■煙趣はブームといえるか ■戦前のタバコの集め方 ■戦争に巻き込まれた『香煙』誌 ■記念煙草高騰の理由 ■戦争でタバコ蒐集家が増えた ■記念タバコの設定範囲が難しい ■戦時中の意外な集め方 ■戦前の煙趣ブームはいつか? 戦後、…

【雑誌の発行】進学組と小学卒で仮説が崩れそう

日本で青年団を作った、山本瀧之助 青少年たちが雑誌を作った理由を知りたい 農村の無進学青少年に目を向けた者 著書『地方靑年』での卑賎意識 独学者を称える反面……。 日本で青年団を作った、山本瀧之助 まず、青年団の團報を調べるための準備で、「青年団…

大正15年に「地方文芸雑誌」があった証拠を発見!

◆「同人雑誌」とは異なる「地方文芸雑誌」 ◆「地方文藝雜誌名簿」が現われた! ◆「地方文芸雑誌」と呼ばれる媒体が大正末期までは存在した ●大正十四年六月の『金の星』「讀者だより」欄掲載分 ●大正十四年七月の『金の星』「讀者だより」欄掲載分 ●大正十四…